クリナップのキッチンについて知ろう~ステディア編
キッチンを知る~希望予算で理想のキッチンリフォームを叶えるために
こんにちは、デザインキッチンTOKYOの石原です。
今日はクリナップのステディアについて、どんなキッチンなのか解説してゆこうと思います。
ラクエラとセントロの間
クリナップには大きく3種類のグレードが存在するのですが、前回解説したエントリーモデルとしてのラクエラ、そして国内メーカーシステムキッチンの中でも最も美しいと言えるセントロ、そしてその間に位置するのがステディア(STEDIA)というブランドになります。
●ステディア(STEDIA)の由来は、stainless "ステンレス" ?
クリナップの全てにおける売りは”ステンレス”です。
70年前に開業してから、クリナップはステンレス流台を主力としたキッチンを開発してきており、このステディアもクリンレディという35年続いたブランドからの切替でした。
今となっては国内キッチン全てにおいて主流になった、フロアコンテナ(一番下の引き出し)を業界で初めて採用したのもクリンレディでした。
その名の通り、このグレードからステンレスのキャビネットが標準仕様なのは他メーカーにはなく、ステディアのみです。
●ステンレスキャビネットの良さとは?
サビ、水・油汚れ、熱にも強い。
カビやニオイもつきにくい。
汚れも一拭き、美しさが長持ち。
長寿命で、とってもエコ。
メーカーのサイトにはこうあります。腐食に強く、長寿命。木製キャビネットと異なり、継ぎ目なく折り曲げて作っているから隙間も少なく、虫などの侵入も防ぐというのが売りとなっています。
ただ今日のメーカーキッチンは、木製であっても非常にしっかりできているので、それこそバシャバシャわざと毎日水をかけない限りは、そうそうのことで”水”による腐食・劣化は考えにくいと正直私は思います。
長期的に使って、確かに匂い写りや汚れにくさ、害虫の侵入は少ないとは私も思います。
●ワークトップの選択肢
ワークトップの種類でいえば、正直もう少しステンレス系の選択肢が欲しい、というのが数社を比較して提案んする私から言わせると思うところです。
でも逆に、そうしたい人はセントロへ〜、というようにうまくグレードを分けている戦略なのでしょうね。
●正直ちょっとアクの強い扉柄…
正直に言わせていただくと、
「扉柄、選びにくくないですか?」
一般的なお客様の選びやすい柄がちょっと限定的というか、ウッド系ならノルディックビーチとかフィーカウッドの系統、単色ならホワイトかブラックの数色しかなく、実際好みの問題ではありますが、他の有色ないし木目調はどんな方が好みで選択するのか、ちょっと私にはイメージがつきづらいです。。
かなりスポットで扉色の選択肢があるというか、逆に、「ステンレスのこの色がいい!」といったような扉柄が気に入ったからステディアを強く希望するようなシーンなのかな、と感じます。
正直、多少予算に余力があるのであれば、セントロの中でもエントリークラスの商品を選びたくなる気がします。。。
*追記 : と、ここまで書きましたが、次項で私のその考えが浅はかだったと気づかされました…w その理由とは、、、
デザインの意図にハッとさせられる。
●イメージガールは松たか子さんですが…
イメージガールはCMでおなじみの松たか子さんですが、実際のターゲットとしてはもう少し年齢の高い方なのかな、というのが扉柄と天板の組み合わせから伺えると、私は感じました。
↑ルサックヘリンボーン柄(というらしい)。最初は「なんでこんなかまち扉のデザインなんだ?!」と違和感を感じたデザインでしたが、先のような考え方でもう一度見直すと、「ああ、なるほどな」と勉強させられます。
↑扉柄はミルフィーユチークにアマンドナチュラルのコーリャントップのプラン。このデザインもターゲットが子育てを終えた世代で、一通り人生の甘酸を過ごしてきた50代以降の人なのかと想定すると、あえてホワイトのプレーンなキッチンで終わらせず、今までの"色のついた"人生を良しとし、これからの人生に寄り添ってゆくような、そんなイメージにも感じられます。。。(考えすぎ?)そうですよね、50代これからって人は、若い人よりもあえてホワイトのプレーンなキッチンって、なんだか選びそうにもないな、と改めて感じました。
30台~40台の夫婦が最初に選ぶキッチン、というよりは、50台〜の割と落ち着いた世代に喜ばれるような、全体として落ち着きの中にも個性のあるような組み合わせになるように扉柄や天板がラインナップされているように私は感じました。
↓特にこのオークラテ色の扉のプランなど、非常に落ち着きがあり永く愛せそうですよね。
●あとさり気なく嬉しい取手なし背面キャビネット
他の国内メーカーキッチンにはない良さとして、意外と知られていませんが、背面キャビネットがプッシュプルとなっており、デザイン的にもすっきりしているというのは、とても好感が持てます。
このうえのセントロのグレードではそれがより顕著になってくるのですが、この辺りのデザイン的な配慮はデザインを求めるお客様のことをしっかり考えているなと思い、頭が下がります。
いかがでしたでしょうか
今日はクリナップのステディアについて解説してみました。
正直なところ、私も腰を据えてステディアのことを考えてみるまでは、「ステディア」ってちょっと中途半端な商材だな、、、と思っていた節がありました。メーカーの人、本当に申し訳ございません。
本文の内容はあくまで私の私見なので、必ずしも合っていないかもしれませんが、キッチンの販売数において、リクシルに近いシェアを誇るクリナップさんの商品ですし、やはり明確なターゲットがいらっしゃることかと思います。
私自身ますますキッチンへの探究心が深まった今回の解説となりました。
参考になれば幸いです。
ー次回はいよいよクリナップ最高峰、セントロについて解説したいと思います。